コロナウイルスの収束にむかって状況がよくなっていく中、新たな問題が起きてしまいました。
それは、人種差別問題です。
5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官が黒人男性のジョージ・フロイドさんの首を膝で約9分間押さえつけ、後に死亡する事件が起きました。
亡くなったフロイドさんが「息ができない」と訴え、殺害されるまでをおさめた動画がSNSなどで拡散され、現在では、全米30カ所以上での警察に対する抗議デモや暴動が行われています。
これにより、多くの死傷者も現れています。
私が滞在しているケンタッキー州レキシントンでも、先日抗議デモが行われました。
抗議者が手に持つダンボールや旗には「No justice No peace」(正義のないところに平和は来ない)、「Black Lives Matter」などの言葉が書かれており、多くの人が参加しました。
死傷者がいる中、一部の地域では、警察がデモ隊に対して、膝を地面につき、敵ではないことを示す行動も見られました。
平和的なデモを促す行動であると言われています。
白人警察による黒人殺害の事件は、今回が初めてではありません。
そして、このような事件が起こるたびにアメリカの至る所で、抗議デモが起こります。
しかし、アメリカでは、市民がどんなに主張しても、デモを起こしても、平和と平等を手に入れることは難しいことがわかります。
それでも、声をあげ続けないことには、何も変わりません。
人種のるつぼと呼ばれるアメリカには、多様な文化、多様な人種が受け入れられる自由な国のように考えられていますが、その背景には、人種差別という厳しい現実があります。
この社会問題は、長い歴史を持ち、今もなお、人種や宗教への差別がより激しくなっています。
さらに、オバマ大統領の次に大統領となったドナルド・トランプは、差別問題に関し、無理解であることをほのめかすような発言を繰り返しており、一向に解決の兆しが見えません。
日本では馴染みのない問題かもしれませんが、アメリカで起こっているこの現状を「こわい」という一言で片付けてはいけないと思います。
アメリカの人種差別について、理不尽な社会で生きる人々の言葉やその重みを、もっと知っていくべきだと思います。
読んでいただきありがとうございました。