4年間の留学を終えて

留学

「留学したら人生が変わる」

この言葉をよく耳にすると思いますが、本当にそうなのか?と疑う人も多くいると思います。
4年間留学を経験した私が言えることは、「留学は人生を変える」ということです。
今回のブログでは、留学を終えて、今思っていることを率直に書いてみました。
少し長くなりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

たまたま友人に誘われてトライアウトに参加し、米国大学への進学を決意した日から、4年の月日が経ち、先日大学を卒業しました。
本当にあっという間だった留学生活は、目に映るもの、体験するもの、全てが新鮮で毎日が充実していました。
異国の地に一人で飛び立ち、価値観の違いに戸惑い、 大学の講義や課題の多さに苦労しながらも、サッカーの練習に明け暮れたり、友人と出かけたり、そんな刺激的な日々が大好きでした。

留学を振り返ると、楽しかった思い出や嬉しかった瞬間ばかりが頭の中をよぎりますが、決して簡単なものではありませんでした。

大学入学当初は、英語での授業についていけなくて、明け方まで勉強していたこと。
必死に伝えようとしても、私の話す英語を理解してもらえなかったこと。
アジア人差別されてしまったこと。
スピードとフィジカルが重視されるアメリカのサッカー文化に慣れるのが大変だったこと。
コロナパンデミックによって帰国を余儀なくされたこと。

これはほんの一部であって、まだまだたくさんの試練に直面したけれど、誰かに相談することは得意ではないし、家族が近くにいてくれていたわけではありません。
だからこそ、この4年間で心身ともに強くなれたと思います。
うまくいかなかったり、辛くなったりしたときは、自分が留学を決意した理由と、応援してくれている家族や友人、恩師の存在を思い出したら、自然と前向きになれました。
どんな大変な状況でも、なにかハプニングが起こったときでも、思い通りにいかなくても、「なんとかなる」と思えるようになり、大抵のことはあとから思い返せば笑い話になっていました。

留学を終えて、一番変わったことは、物事に対する考え方です。

小さいことや些細なこと、そして物事を始める前の人の評価や相手にどう思われているかを全く気にしなくなりました。
以前は、嫌なことを「いや」と言えなかったり、人目を気にして、自分のやりたいことを我慢していたり、自分が思っていることをうまく伝えられなかったりする場面がありました。

しかし、様々な価値観やバックグラウンドを持つ人々に出会い、そんな彼らと生活していく中で、自分の個性の大切さを知り、自分に自信を持てるようになりました。
「みんな同じ」が求められる日本社会の中で、自分の軸をしっかりと持つことや他人と違うことすることは難しいけれど、こんな社会だからこそ、自分らしく、自分を好きになることが大切であることを痛感しました。

こんな綺麗事を言っていますが、私も時々自分が嫌になる時もあるし、なにもかも投げ出したくなってしまう時もありました。しかし個性の大切さに気づけただけでも一歩前進だと思いますし、これから社会を経験していき、多くの方と出会っていく中で、もっともっと成長していけたらいいなと思います。

また、人生にはたくさんの選択肢があり、それらの選択に正解、不正解はないことも実感しました。

例えば、私の同級生の中には、大学卒業後に就職するのではなく、1年間バイトをして、「自分が本当にやりたいことは何か」を考える友人がいたり、数ヶ月かけて世界旅行に行く友人がいたり、卒業後の進路も様々です。
日本にいると、大学3年生で就活を開始して、大学卒業後は企業に就職して、という道を進むことが当たり前だと思い込んでしまいます。
どの選択が良い悪いに関わらず、多くの選択肢の中から選択するのと、少ない選択肢の中から選択するのでは、大きな違いが生まれてくると思います。

周りがこうだからこうすべき、と自分たちの中にある思い込みや偏見で物事を判断してしまいがちですが、多くの選択肢や生き方を知ることで、世間が思い描く自分を演じるのではなく、自分らしい生き方ができると思います。
もちろんやらなければいけないことや、今直面している試練から逃げることは違うけれど、それが将来の自分に必要なことならば、その選択も間違いではないですし、「辞める」という決断にも勇気がいると思います。
社会に流されず、頑張りすぎないで、楽しいと思える毎日を送ってほしいですし、自分自身も社会人になり自分を見失いそうになった状況に直面しても、自分自身としっかり見つめ合う時間を大切にし、夢や目標に向かって頑張っていけたらいいなと思います。

そして、私が留学生活を笑顔で終えることができた一番の理由は、常に素敵な友達や仲間に恵まれてことだと思います。
アメリカという新天地に飛び立って、何もわからない状況だったけれど、すぐに友達ができ、多くの方々に支えられていました。
英語に苦労した時には、課題を手伝ってくれたり、大学2年時に編入を決めた時には、一緒になって悩んでくれたり、どこにいっても素敵な出会いに恵まれて、楽しい日々を過ごすことができました。
留学で出会った人々は、一生の宝物です。
アメリカだけでなく、世界各地に友達がいることは、とても素敵なことだと思いますし、この出会いを今後も大切にしていきたいです。



今、高校卒業後の進路を選択する場面に戻ったとしても、また「留学」という選択をすると思います。
ここでは伝え切れないほど、本当にたくさんのことがあったけれど、留学して良かったと自信を持って言うことができます。
この経験をさせてくれた両親、そして、私の選択を応援してくれた家族や友人に感謝しています。

学生生活が終わり、来年から社会人になります。
大人になっても、純粋な心を忘れることなく、素直な人でありたいです。
今までは学生という肩書きによって色々なことから守られていましたが、社会人になれば、全て自己責任であり、もっともっと自立していく必要があります。
今まで経験したことがないような困難や大人ならではの悩みに直面することがあるかもしれませんが、日々の生活の中で感じた一瞬一瞬の幸せだったり、楽しいと思える瞬間を大切にして、純粋な心を持ち続けたいです。
そして、今までは気づかなかった社会の厳しさを体感し、家族や友人の支えの大切さをより実感していくと思います。
自分の気持ちに常に正直に、素直に、行動できる大人になりたいです。

読んでいただき、ありがとうございました。